画家はモテるのか...。
画家に対するイメージの一つに「モテそう」というのがある。
ピカソや夢路など、名前の知られた画家にはそういう人がいたのは事実だから、世間がそう思うのも仕方がない。
女性にモテるかどうかは別として、他人から興味を持たれることは多いと思う。
見た目が個性的で浮世離れした存在、
飯は食えるのか...、
一般の人からすれば、気になることだらけなんだろう。
僕自身は長髪で髭面だ。
外見もさることながら、大の男が昼の日中からウロウロしていれば、気になるのは当然だと思う。
だから、「仕事は何してはるの?」と聞かれることは多い。
つまり、「働いてるのか?」という意味だ。
特に、引っ越した当初は、よくそんな風に聞かれた。
こいつはどこのどいつだ、怪しい...、
...と、頭の中で警戒警報が鳴りまくっているのかもしれない。
どうせ暇つぶしに聞いているだけだろうと思うので、こっちもまともに相手にしない。
ニートという言葉が流行っていた頃は、その言葉にあやかって?「ニートです」などと答えたりしていた。
話は変わるが、僕は酒を飲むのが好きで、ひとりで飲み歩くことも多い。
大人数で無駄に騒ぐのは苦手だが、隣り合わせた客と話すことはよくある。
「お仕事は?」と聞かれるところから始まるのは同じだが、そのあとの展開は違う。
「絵とか音楽とか、何かやってますか?」と続けてくる。
声をかけてくる人は、何かしら芸術に興味を持っている人が多い。
話が弾んで、後日、作品を買っていただいたということもあるくらいだ。
酒の席は何があるか分からない。
だから、当然、女性と仲良くなることも少なくない。
「絵を描いてる」と答えれば、半分くらいの女性は興味をもつ。
自分が知らない世界の話に興味津々。
絵が好きな人なら、なおさら話は弾むし酒も進む。
そのあとはお決まりのコース...、
・・・とはならない。
逃げられるんだよなぁ...。
絵描きはモテないのだ。
いや、そうじゃない。
単に、僕がモテないだけか...。