とんだ地雷を踏まされたもんだ
レッスン終了後にいつも駅まで話しながら帰る生徒さんがいる。
1か月に2回しかないレッスンだが、積もる話なんてまったくないわけで、どうでもいい話をしながら駅までの時間を潰していた。
とあるレッスン日にその生徒さんがお休みしたのだが、その約1ヵ月後のこと、カルチャーの問い合わせ欄に書き込みがあったらしく事務所に呼び出された。
帰り道に・・・
「彼氏がいるのか?」
・・・と聞かれ、これがセクハラに値するのではないかというのだ。
詳しくは書けないが、すこし難しい一面があるので、注意はしていたが参った。
しかも、年齢まで聞かれたことが、精神的に耐えられないとのこと。
しかし、1ヵ月も前の他愛ない話なんて、こっちはほとんど記憶にないが、年齢については、プロになりたいと言ったので尋ねたことは覚えている。
その時に・・・、
「その年齢だとギリギリだ」と言ったらしい。
ギリギリと言った覚えはないが、俺も控えめに言ったもんだと思った。
プロをめざすには、すでに終わっているからだ。
画商は若い作家しか扱わない。
もちろん、すでに売れっ子となっている作家は別だ。
作家が売れるまでには5年~10年という長い時間がかかる。
この間に累積する赤を、業者さんが被っているのだ。
売れるようになっても、しばらくはこの累積した赤を埋めてもらわなければならない。
そこにまた時間がかかる。
その後、ようやく画商は利益を見込めるのだ。
その時期が遅くなりそうな年齢なら、当然画商は扱わない。
夢を追いかけるのはいいが、現実に目を向けないと、彼女はもっと傷つくことになるだろうな。
でも、その時はもう遅いのだけど・・・。